ラ★バンバ
La Banba
(1987年7月/日本公開1987年11月)

ラ・バンバ/ロス・ロボス
ラ・バンバ/リッチー・バレンス
ドナ/リッチー・バレンス
カモン・レッツ・ゴー/リッチー・バレンス
サマータイム・ブルース/ブライアン・セッツァー
クライン・ウェイティン・ホーピン/マーシャル・クレンショー

La Bnaba/Los Lobos
La Bnaba/Ritchie Valens
Donna/Ritchie Valens
Come on Let’s go/Ritchie Valens
Summertime Blues/Brian Setzer
Crying, Waiting, Hoping/Marshall Crenshaw

2011年7月23日、グラミー賞を受賞のしたイギリス人歌手、エイミー・ワインハウスが亡くなりました。結構好きな歌手だったし、まだ27歳という若さだったので、なんとなく残念に思います。じつは本コラム(2010年11月15日)でも紹介した映画『ザ・ドアーズ』(‵91年)で紹介したザ・ドアーズのジム・モリソンは’71年に。‵69年にはザ・ローリング・ストーンズの元リーダーであるブライアン・ジョーンズ。そして’70年には天才ギタリストであるジミ・ヘンドリックスとR&Bから幅広いファンを持っていたジャニス・ジョプリン。この人たちは、みんな27歳で亡くなっているのです。それも死因がみんな薬物の過剰摂取とかで、謎っぽい感じも共通。ワインハウスは、薬物摂取もありつつ、直接の死因はアルコール中毒から抜け出すために急にアルコールの摂取を止めたこととか言われていますが、「いきなり止めちゃいけないのかぁ」と思った人も多いでしょう。いずれにしても27歳という歳は、天才的ロック・シンガーの厄年みたいな歳なのだと思いました。若くして亡くなることで「伝説のロック・シンガー」になるのかもしれないけど、27歳だとちょっと早すぎるよな、と思っていたら、そういえばホントに早すぎた人を思い出したので、今回の映画は『ラ・バンバ』です。

ストーリーというほどのものはありません。1941年に生まれ、わずか16歳でシンデレラのようなデビューをし、全米でものすごい人気になるも、‵59年にわずか17歳という若さで飛行機事故により死亡した伝説のロックンローラー、リッチー・バレンスの生涯を描いた映画。メキシコ生まれのヒスパニック系アメリカ人が成り上がる(いや、成り上がりかけた、かな)話です。
メキシコ系アメリカ人の家庭に生まれたギター好きな若者、リカルド・エステバン・バレンスエラ・レジェス(Ricardo Esteban Valenzuela Reyes)は、いつかロックで売れて母親に家を買ってあげる夢を持っていました。彼は南カリフォルニアに転居後、高校で地元のバンドに入り、さらに“リッチーとフライング・ギターズ”という自分のバンドを結成します。町のコンサートホールで行われたバンドのデビューライブはワルの兄のためにぶち壊しになりますが、その場にいたデルファイレコードのプロデューサーに素質を見込まれ、‵58年プロデビューが決まります。彼は芸名をリッチー・バレンスとし、高校のマドンナであるドナに愛を語るような歌でデビュー。ドナも心寄せているものの、ドナの父親が猛反対でうまく行きません。さらに、自分の家族も弟に嫉妬するワルの兄貴が暴れて問題になっています。(この兄貴はホントに悪い)。そんなこととは裏腹にデビュー曲「カモン・レッツ・ゴー」を皮切りに、「ドナ」、「ラ・バンバ」と大ヒットを記録、母にも待望の一軒家をプレゼントします。リッチーは家族と共に幸せなクリスマスを過ごした後、彼と同じく若きロック・シンガーとして売れていたバディ・ホリーやビッグ・ボッパーたちとコンサート・ツアーに旅立ちます。その途中で仲違いしている兄に電話を入れますが、その電話こそ家族がリッチーの声を聞いた最後の声になります。1959年2月3日、まさにこれからという若きロックンローラーたちを乗せた飛行機がアイオワ州セロ・ゴード郡グラント・タウンシップのトウモロコシ畑に墜落。それがデビューから、僅か8ヵ月でロックの頂上を極めた少年リッチー・バレンスの最後でした。

本作でリッチーを演じたのは、これまたラテン系の顔をしたルー・ダイヤモンド・フィリップス。ともあれ母親からフィリピン、日本、中国、スペイン、父親からアイルランド、チェロキー(ネイティブ・アメリカンの部族)という血を引き継いでいるそうなので、顔だけ見るといったい何人だかわかりませんが、テキサス州で育ったアメリカ人です。日本人には聞きなれない名前の俳優ですが、デンゼル・ワシントンとメグ・ライアンが主演した『戦火の勇気』(‵96年)で頑固な兵隊役を演じ、ムキムキの姿を見せていますね。ムキムキと言えば、一時期流行した体操?ビデオ「ビリー・ザ・ブートキャンプ」のハリウッドでのインタビューに出ていた人、と言ったらもっとわかんないですね。人気TVシリーズ『24』のシーズン1にもちょっと出たりしています。

映画自体はリッチーの死後、28年も過ぎてから公開された映画ですし、あまりにも若すぎた死だったので知名度を含めオリジナル曲も少なかったのですが、そこをカバーしたのは本作の音楽をマイルズ・グッドマンとともに、あのカルロス・サンタナがつとめたこと。そして、リッチーたちの曲の演奏を同じくメキシコ系アメリカ人バンドであるロス・ロボスがつとめたことであるとされています。本作のサントラ盤もかなりビルボードで3週間1位を保つなどヒットしましたが、収録の12曲中8曲はロス・ロボスの手によるもの。それ以外にも、ブライアン・セッツァーが歌う「サマータイム・ブルース」やマーシャル・クレンショーが歌うバディ・ホリーの「クライン・ウェイティン・ホーピン」、ボー・ディドレーが自ら歌う「フー・ドゥ・ユー・ラヴ」も収録されるなど、当時は話題を集めたアルバムだったようです。“ようです”というのは、BOSSはこの当時のこの方面が苦手で全部を知らないことによります。でも、BOSSが大好きで、映画のタイトルにもなり、シングル・カットされた「ラ・バンバ」もビルボードのシングルチャートで1位になるなど大ヒットしました。これは確かです。若くして亡くなったリッチー・エバンスも報われた感じですね。「バンバを踊るためには、もっと優雅さが必要だよ!」と歌う陽気なメキシコ民謡を、見事にロックに仕立てあげた若者を悼んで、楽しく歌いたい歌です。

▼La Banba 予告編(英語)

▼ルー・ダイヤモンド・フェニックスがラ・バンバを歌う名シーン。

▼ロス・ロボスのミュージック・ビデオ。
ラ・バンバの映画シーンと共に。
※この動画はスマホでは見れません。

▼本家本元のリッチー・バレンスの声で。「ラ・バンバ」

▼リッチー・バレンスの「ドナ」。ロマンチックで全然イメージが違う。
※この動画はスマホでは見れません。

▼リッチー・バレンスの「カモン・レッツ・ゴー」古いけどいいですね。

▼マーシャル・クレンショーがバディ・ホリーになりきって歌う名曲
「クライン・ウェイティン・ホーピン
※この動画はスマホでは見れません。

▼エイディ・コクランの大ヒットナンバー
「サマータイム・ブルース」を演奏するのはブライアン・セッツァー

LA BANBA

僅か17歳でその生涯を閉じた、リッチー・バレンス。
そのすべてを語る物語。音楽ファンは必見です。

1 Comment for this post you say something?


  • 19 8月 20112:14 pm haruna

    ラ・バンバをDVDで観ました☆!
    こんなにいい曲を作って、まだまだ活躍しただろうに・・・
    切なくなりました。
    本物のリッチー・バレンスの曲も、ここで聴かせてもれいました。
    ありがとうございます。
    映画とは違いますね。本物の方が、ラ・バンバは泥臭くて、
    映画のがちょっと洗練されてると思いました。どちらも好きですが、
    ドナの曲は本物の方がいいなと思いました。
    いい映画を観る機会を下さって、ありがとうございました。


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