『ビバリーヒルズ・コップ』
1984年/Beverly Hills Cop
1987年/Beverly Hills Cop Ⅱ
1994年/Beverly Hills Cop Ⅲ

アクセル F/ハロルド・フォルターマイヤー
ニュートロン・ダンス/ザ・ポインター・シスターズ
スター・イット・アップ/パティ・ラベル
AXEL F/Harold Faltermeyer
Neutron Dance/The Pointer Sisters
Stir it up/Patti Labelle

先週は別件で多忙を極め、オヤスミをしてしまいました。すいません。
先々週、つまり前回ですが、西海海岸はロサンゼルスのビバリーヒルズをテーマにした映画『プリティ・ウーマン』(’90年)を書いたので、今度は同じビバリーヒルズを舞台にした映画だけど、そんなお高くとまったムードをわざとバカにして蹴散らす、お笑い満載のアクション・コメディ『ビバリーヒルズ・コップ』をご紹介します。コメディですが、1984年の大ヒット作ですよ。

どちらかというと暗く陰湿なムードの漂うアメリカ中西部の町、デトロイト。そんな町からやってきた刑事、アクセル・フォーリーが明るく能天気で平和なムードのビバリーヒルズにやってきて大暴れする、という刑事モノ。シリーズは3作ありますが、3作ともTVシリーズみたいに続けて観たほうが楽しめる作品。というより、前作を受けてのキャストの配置だったりするので、第2作や3作から観ると笑えるところも意味もわかりません。とはいえ、やっぱり第1作が傑作だけどね。なんでも第4作が2012年に公開されるとかいう話もあります。さすがに18年ぶりとなると、どうなのかな。

軽く第1作のストーリーをおさらいしておくと、デトロイト市警の刑事アクセル(エディ・マーフィ)は、エネルギッシュで有能な刑事ながら、その強引な荒っぽさで上司に疎まれています。ある日、カリフォルニアのビバリーヒルズで働いている幼馴染のマイキーが高額の債券の束を持って来訪、再会も束の間、その夜にマイキーは何者かに殺されてしまいます。真相を知るために休暇願いを出したアクセルは、ビバリーヒルズに向かい、同じく幼馴染のジャネットに会い、黒幕である実業家メイトランドのことを聞き出します。彼は単独でメイトランドに会いに行きますが、ガードマンに放り出され不法侵入罪で捕まってしまいます。身分が明らかになったため釈放されたものの、おかげでタガート(ジョン・アシュトン)とローズウッド(ジャッジ・ラインホールド)の2人の刑事に行動を見張られることに。その2人を監視の目をくぐりながら、メイトランドが実は麻薬の密輸にからんでいることを掴みますが、その際、高級クラブで乱闘をひきおこし、再び警察の世話になり、とうとうローズウッドに護送されるはめに。しかし護送当日が密輸品の到着日であることを知ったアクセルは、ジャネットと協力し、大量のコカインを発見しますが敵に見つかり危機一髪。しかしローズウッドやタガートに助けられ、なんとか事件も解決。という感じです。(あらすじの一部はgoo映画からもらいました)

話はありがちだし、展開も読める単純さがいいです。それと早口で喋るエディのジョークは字幕だと面白くないので、日本人は吹き替えで観たほうが面白いですね。

なんでもWikiの情報では、この映画の主役はもともとシルベスター・スタローンを予定していたらしいのですが、スタローン側から、脚本をコメディにしないことやアクセルの名前をコブラに変更することの要求が出て、さらに高額のギャラを要求されたため、予算の都合でエディマーフィと交代することになったそうです。なので、その脚本をさらに書き換えたものがスタローン主演の『コブラ』(’86年)だとか。ゆえに、じゃないかもしれませんが、シリーズ2ではアクセルの影響もあって優男から骨太に変身したローズウッド刑事の部屋に映画『コブラ』のポスターが貼ってあり、また彼が銃器を趣味にし始めて、まさにスタローンの『ランボー』(’82年)みたいな格好をするシーンがあります。さらに言えば『ビバリーヒルズ・コップ2』には、スタローンの当時の妻であるブリジット・ニールセンも出演しています。ホントにどうでもいい話ですが、こういう洒落が面白い映画なのですね。特に第1作で敵に囲まれたローズウッドが傍らのタガートに“『明日に向かって撃て!』だね!”というセリフには笑いました。

本作を通じていえるのは、ラフな格好のアクセル(エディ)がビバリーヒルズという高級住宅地やセレブな住人、そこを仕切る堅物なスーツ姿の刑事たちを馬鹿にして、デトロイト流を貫き通すあたり。最後には高級ホテルのバスローブをお土産に持って帰るあたりも笑えます。シリーズ2や3では、タガートやローズウッドも堅物から抜け出して(タガートは3には出てこないけど)どんどんアクセル流に変っていくところが、シリーズものとしてよい仕上がりになっています。真面目に観ないで、ヒマなときには面白い映画としてオススメしたいですね。

エディ・マーフィー他にもデビュー作の『48時間』(’82年)や本コラムでも紹介した『星の王子ニューヨークへ行く』(’88年)など面白い作品も多いのですが、最も彼が売れたのはこの映画がきっかけと言っていいくらいハマリ役です。ローズウッドを演じるジャッジ・ラインホルドはこの作品の前にも『初体験/リッジモント・ハイ』(’82年)や『グレムリン』(’84年)にも出ていますが、やっぱりローズウッド刑事の役が印象に残ります。ジョン・タガート刑事役のジョン・アシュトンもダメな中年役がよかった。また、ボゴミル警部補役を務めたロニー・コックスはアーノルド・シュワルツェネッガーの映画『トータル・リコール』(’90年)での悪役コーヘイゲン長官役でも有名ですね。なぜか嫌味な悪役が多いように思えます。

映画のヒットと同時にサントラ盤も売れたのですが、やっぱり頭に残ってしまうくらう有名な曲はハロルド・フォルターマイヤーの「AXEL F」。歌詞はありませんが、シンセサイザーのメロディを聴くとこの映画を思い出します。アメリカでは“暗い曲ナンバー1”に選ばれたこともあるらしいのですが、そんな感じなのかな。でも、この人は本コラムでも紹介した『トップガン』(’86年)の音楽も担当しているのですよ。あとはサントラ盤にも入っている、当時流行っていたポインター・シスターズの「ニュートロン・ダンス」とか、パティ・ラベルの「スター・イット・アップ」などでしょうか。どれもノリのいい音楽で、まさに映画のイメージにあっていると思います。

同じビバリー・ヒルズでも、随分と違う映画になるものです。とにかく音楽が印象に残るから、聴いてみてください。あ、それと同じ場所だけど、『ビバリーヒルズ青春白書』は今後も書く予定はないからね。では、また。

ビバリーヒルズ・コップ第1作の予告編(英語)

ビバリーヒルズ・コップ第2作の予告編(英語)

ビバリーヒルズ・コップ第3作の予告編(英語)

第2作の名場面、勝手に留守宅へ入り込んだアクセルを、
ローズウッドたちが訪ねるシーンです。笑えます。

ハロルド・フォルターマイヤーによる「アクセル F」のオリジナル

ポインター・シスターズの「ニュートロン・ダンス」映画のシーンも出てきます。

パティ・ラベルの「スター・イット・アップ」

ビバリーヒルズ・コップ

痛快なアクション・コメディ。
“ビバリーヒルズのセレブをぶっ飛ばせ”という感じの
エディ・マーフィーが良い演技です。


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